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人工関節センター紹介

平成26年8月6日より五輪橋整形外科病院に人工関節センターが設立されました。
平成25年4月より、低侵襲手術(MIS)による人工膝関節置換術の導入、UKA(部分置換型人工膝関節)、合併症をより少なくする工夫、術後早期リハビリ導入など人工関節センター設立に向けて様々な準備をしてきており、このたび、人工関節センターを院内に設立するにいたりました。
センター化することで関連部署が連携し、質の高い最先端の医療を提供し、患者さんのさらなる健康増進を目指しております。
地域の開業医の先生方におかれましては、ぜひ私どもの施設に患者さんをご紹介いただければ幸いです。

最小侵襲(MIS)膝関節手術は一般に比べて何がいいのか

MIS(エム・アイ・エス)とは、一般的に最小侵襲(低侵襲と呼ばれることもあります。)手術と呼ばれる可能な限りメスを入れずに行う手術方法のことです。

手術後の傷跡が小さくなります。

一般的な手術方法に比べ、MIS手術は約半分(10cm程度)に傷跡で済み、美容的メリットがあります。

リハビリテーションの早期開始が可能です。

MIS手術では、皮膚切開が小さく、かつ筋肉への負担が少ないことから、筋力の低下を防ぐことが可能です。
また、手術後の痛みと腫れも少なく、手術翌日から歩行訓練など本格的なリハビリを開始でき、トイレや洗面に行くことも可能です。
この術後翌日から歩行は、重大な合併症である肺塞栓(エコノミー症候群)の予防に役立つと言われています。

早期退院、早期社会復帰が可能です。

一般的な人工関節手術では手術後の膝の痛みと腫れで1〜2週間ベット上での生活を余儀なくされ、入院期間は1〜3ヶ月かかることもありました。
MIS手術では1〜2週間で退院が可能となり、従来の手術に比べて早く普通の生活に戻ることが出来ます。
早期退院が可能であれば、職業をお持ちの方や、長期間の留守ができない方でも、安心して手術が受けられます。

膝関節の痛みにお悩みの方へ

膝関節痛が起きる理由

膝関節(しつかんせつ)は大腿骨と脛骨、そして膝蓋骨(しつがいこつ)から構成される体の中で最も大きな関節です。
膝関節には、膝を曲げ伸ばしする際に体重を支える太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)がついており、身体を動かす際の重要な役割を担っています。
「立つ」、「歩く」といった際には膝蓋骨にも大きな負荷がかかり、立ち上がりや階段の昇り降りでは体重の数倍にもなる重さがかかります。
膝関節には日常から大きな負担がかかっているのがわかります。
加齢や運動、姿勢などの生活習慣によって、膝関節の中でクッションの役割をする軟骨に傷がついたり、すり減ることがあります。
これが原因で関節内に炎症を起こし、痛みが生じます。
軟骨が痛むと膝にかかる負担を吸収できなくなり、非常に強い痛みを感じるのです。

一度損傷した軟骨は、筋肉や皮膚と違いほとんど再生しないといわれています。
また、軟骨は血流が乏しい組織であり、養分や投薬した成分もほとんど届きません。
痛む膝をかばい、無理な姿勢で生活することにより余計な負担が増え、激しい痛みを伴うケガや病気となってしまいます。
膝関節痛により引き起こされるケガや病気には主に次のようなものがあります。

ケガと病気のケース

基本は投薬で痛みを和らげながら、運動療法で関節の周りの筋肉を鍛えて機能を保っていきます。
しかし、それでは痛みが取れない場合は手術療法に切り替えていく必要性が生じてきます。

【変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)】

男女比でいうと1:4で女性に多くみられ、加齢によっても発症の頻度は高くなります。
主な症状は膝に痛みを感じたり、水がたまります。
初期では立ち上がりや歩きはじめなど始動動作に痛みを感じ、休めば痛みは治まりますが、だんだんと正座や階段の昇降が難しくなり、末期では休んでいる状態でも痛みを感じます。
膝の変形が目立ち、まっすぐ伸びず歩行が困難になります。

【半月板損傷 (はんげつばんそんしょう)】

半月板は大腿骨と脛骨の間にある左右一対の三日月状の板で、内側・外側にそれぞれがあり、クッションの役割をはたしています。
これが損傷すると運動時の衝撃を吸収できず、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。
症状が重い場合、急に膝が動かなくなり歩けなくなるほどの痛みを感じます。

【膝靭帯損傷(しつじんたいそんしょう)】

受傷後3週間くらいには膝が痛み、動かしづらさを感じます。
腫れが目立ってくることもあります。
その後、痛み、腫れ、動かしづらさは解消してきますが、損傷部位によっては膝の不安定感を感じるようになり、下り坂や脚をひねる動作の際によりはっきりと感じることが多いです。
不安定感があるまま放置すると、半月板損傷や軟骨損傷などの合併症を誘発し、慢性的な痛みや腫れ水腫の原因となります。

【離断性骨軟骨炎 (りだんせいこつなんこつえん)】

離断性骨軟骨炎は関節の軟骨がはがれそうになる症状です。
膝関節の他、足・肘関節にも起こりやすい症状です。
放置すると、軟骨が骨からはがれ、関節内を動き回る状態となり、激痛や、関節の間に挟まって足が動かなくなる原因となります。

【膝蓋骨脱臼 (しつがいこつだっきゅう)】

跳躍の着地などで、膝を伸ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに、膝蓋骨(お皿)が外側に脱臼し、痛みや腫れがあります。
自然に整復されることも少なくありませんが、脱臼を繰り返すことで痛み・腫れは少なくなり、強く不安定感を感じるようになります。
膝蓋骨や大腿骨の形状異常、大腿四頭筋の作用する方向と膝蓋靭帯の方向が異なるなど、先天的な素因が多いです。
また膝蓋骨の脱臼や整復の際に関節面の一部が骨折することがあります。

【O脚・X脚(オーきゃく・エックスきゃく)】

生理的な変形と病的な変形に大別でき、乳幼児の膝は生理的にO脚を呈しており、2歳から6歳にかけてはX脚傾向、その後、7歳ぐらいで成人に近くなります。
生理的な変化は左右対称であり、痛みや機能障害などはありません。
片側のみの変形では病的なものを考えます。
病的なものとしては、靱帯のゆるみや欠損、先天的・後天的な大腿骨・脛骨の形態異常、外傷後の変形などが原因です。
一般に、外見上の異常のみですが、ひどい変形になると痛みを感じたり、合併症として変形性膝関節症や骨盤の歪みを引き起こす場合があります。

人工膝関節置換術とは

傷ついた膝関節の損傷面を除去し、人工関節に置き換える手術です。
人工関節は、関節の滑らかな動きを再現できるように、大腿骨・ 膝蓋骨部・脛骨で構成されています。
大腿骨部と脛骨部の本体は金属製ですが、脛骨部の上面と膝蓋骨の表面は軟骨の代わりとなる耐久性に優れた硬いポリエチレンでできています。
使用する人工関節は症状の程度によって変わります。
程度が比較的軽い場合は骨の表面だけを削っての置換にとどまりますが、 膝関節の損傷や壊死が進んでいる場合には、すり減った骨を補充するために複雑な部品を用いることになります。

手術方法

【全人工膝関節置換術】

変形性膝関節症や関節リウマチ、大腿骨内顆壊死、骨折などにより変形した関節を人工膝関節に入れ替えることで、痛みを取り除き、歩行能力にはかなりの改善がみられます。
手術は1~2時間程度で終了します。

【人工膝関節片側置換術】

膝関節全体を人工関節に置き換える全置換術に対し、膝関節の傷んでいる側だけを置き換えます。
片側の軟骨のみすり減っているなどの、傷みの進行が初期の患者様が対象になります。
片側置換術では全置換術に比べ、半分程度の大きさの人工関節を用いるため、皮膚の切開や骨の切除量が少なくなりやすいです。

【MIS(最小侵襲手術)】

MISで手術を行うことで、皮膚切開(傷跡)が小さい、術後の回復が早い、リハビリテーションが速やかにすすみ、入院期間が短縮されるというメリットがあります。
ただしMISはどの例にもできるわけではなく、従来通り大きめに皮膚切開、方法で手術した方がよい例も少なくありません。
通常の手術法とMISのどちらがよいかはしっかりとした話し合いが必要です。

合併症について

手術の合併症として、感染、脱臼、血栓症、肺塞栓などのリスクがあります。
また、人工関節は長い年月を使用することで緩みが生じ、再手術が必要な場合もあります。
MISにより速やかなリハビリテーションを実施することで、肺塞栓の予防にもつながります。

リハビリテーションについて

従来の手術では、傷跡部に負担がかかりすぎないように考慮しながら進めていきます。
膝関節に力を入れて伸ばす等の訓練を経て、術後数日~10日ごろには、状態を見ながら少しずつ平行棒での歩行訓練を行っていきます。
MIS手術の場合は、痛みや腫れが少なく筋肉低下も従来の方法よりも少ないため、手術翌日から全身状態に考慮しながら歩行訓練を開始します。その後は痛みに合わせて進めていき従来よりも入院期間が短くなります。外来でのリハビリも積極的に行っており、手術後のフォローも充実しております。リハビリテーションで目指しているのは膝の痛みがない生活を送れるようになることと手術前よりも良い状態になっていただき、膝が痛くて我慢していた外出などを再び楽しんでもらうことです。

安全で確実な手術の提供

最後に、2012年のデータ(矢野経済研究所)では、日本国内だけで年間7万件以上の人工膝関節置換術が施行されており、年々増加傾向にあります。
現在は手術法もほぼ標準化され、熟練した医師が執刀すれば安全にできるものとして定着しております。
最小侵襲手術(MIS)は、通常の手術より難易度が高いため、一部のしっかりとしたトレーニングを受けた医師が行うことが勧められております。
当施設では国内、海外で徹底したトレーニングを積んだ上、500例以上の最小侵襲手術(MIS)の経験があるため、より安全で確実な手術を提供できます。

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